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福岡地方裁判所 昭和58年(わ)1557号 判決

本店の所在地

福岡市博多区西月隈一丁目一八番地

法人の名称

マルキ工業株式会社

代表者の住居

同市城南区長尾四丁目六番三五号

代表者の氏名

木下正夫こと 全正夫

国籍

韓国(慶尚北道高霊郡牛谷面蓮洞一六番地)

住居

福岡市城南区長尾四丁目六番三五号

会社役員

木下正夫こと

全正夫

昭和二二年四月九日生

右マルキ工業株式会社及び全正夫に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官津野正文出席のうえ審理をし、次のとおり判決する。

主文

被告人全正夫を懲役一年二月に、被告会社マルキ工業株式会社を罰金二、二〇〇万円に、各処する。

被告人全正夫に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人マルキ工業株式会社は、福岡市博多区西月隈一丁目一八番地に本店を置き、土木建築工事を目的とする資本金五二、三五〇、〇〇〇円の株式会社であり、被告人木下正夫こと全正夫は、被告人会社の代表取締役としてその業務全般を総括しているものであるが、被告人全において、当時被告人会社の常務取締役であつた榊原義人及び経理課長であつた岩本政義と共謀のうえ、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、工事原価の水増計上あるいは同原価を架空に計上して簿外預金を蓄積する等の方法により所得を秘匿した上、昭和五五年四月一日から同五六年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が二六五、〇一八、三七〇円あつたのにかかわらず、昭和五六年六月一日、福岡市東区馬出一丁目八番一号所在の博多税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六四、一八六、八〇〇円でこれに対する法人税額が二四、一〇八、一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額一〇四、四四〇、九〇〇円と右申告税額との差額八〇、三三二、八〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書六通

一  榊原義人(五通)、岩本政義(五通)、前田隆、上山隆(二通)及び神原敬の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書及びその説明資料

一  登記官作成の登記簿謄本

一  検察事務官作成の報告書一四通

一  大蔵事務官作成の査察官調査書一二通

一  岩本政義作成の上申書(七通)及び確認書

(法令の適用)

被告人全正夫につき

罰条 法人税法一五九条一項、刑法六〇条(懲役刑選択)

執行猶予 刑法二五条一項

被告会社につき

罰条 法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 池田耕平)

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